先日、弊社では、社員全員参加の合宿を開催し、会社の経営理念、基本方針、経営計画、戦略を皆で一緒に議論しました。
泊まり込みの研修、という形だと、今時の若者達は嫌がるのでは・・・、と心配していましたが、ダメ元で企画してみると、正職員全員が参加してくれて、皆積極的に取り組んでくれたのがうれしい誤算でした。
特に経営理念について。
これまで、事務所の経営理念というものを定めて、ホームページ上で掲げていたりはしましたが、従業員に浸透しておらず、形だけのもの、そしてどちらかというと経営理念というよりは、経営者個人の座右の銘でしかありませんでした。
創業時に比べると、会社の規模もだいぶ大きくなってきており、成功や失敗の経験をナレッジとして共有し、今後も成長していく上では、アイデンティティを明確にする必要があります。そういった意味で、今いる社員全員で、価値観、ビジョンについて意見交換し、統一を図るという試みは非常に重要であると考えました。
皆でディスカッションをして最終的に決めた会社の経営理念は、以下の通りです。
『世界一のNo.2』
お客様のニーズに合わせて常にイノベーションし、新たな価値サービスを探求し、お客様の発展に寄与する最高のパートナー
経営理念を定めるにあたって、今回良い機会だし、新たに入社した職員も多かったので、まずは経営者として、創業時から現在に至るまでの思い、お客様や提供するサービスに対する価値観、今後向かっていくべき方向性など、洗いざらい棚卸をして、文章にまとめてみました。
なぜ、会社を立ち上げたのか・・・。率直に言うと、ありきたりではありますが、地元の中小企業の役に立ちたい、という思いが強かったためです。合わせて、杓子定規に当てはめた機械的な判断しかできないプロにはならないようにしたい、また、コンサルティング業務を行う上では、性悪説に立ってそもそも経営者を疑って接するような仕事の仕方はしたくない、ということを考えていました。
経営者としての哲学というものは、これまでも、ことあるごとに日々の自分の言動の中に織り込んでいる(つもり)なので、わざわざ文章にしても、特に真新しいものはありません。
しかし、何年も働いている職員たちも、今回の合宿で、初めて経営者としての考え方が分かった、というような反応をしており、逆に私がびっくりしてしまいました。・・・いかに自分に伝える能力がないか、ということですね。
理念や価値観を共有できていないのであれば、経営者がいくら必死でタクトを振ろうとも、思うような成果は上がりづらい。だからこれまでは、会社としてのパフォーマンスが低かったのかな、と、改めて反省しました。今後は更に高みを目指していけるのかな、と期待をしています。
経営理念というのは、企業活動を行う上で、その企業が掲げるべき根幹の考え方です。日々の細かな業務全てについて、マニュアルで対応することはできません。具体的にどのように対応すべきか迷う場合は、経営理念や基本方針に照らして考えることが重要になると思います。
また、経営理念というものは、経営者の思い集約した言葉であると思いますが、うまく一言の言葉に集約しきれるものではないかもしれません。逆に、経営理念の文言から、経営者の思いを想起できるような作りにしなければ、宙に浮いた言葉になってしまう可能性もあると思います。
そんなことを踏まえて、色々と議論し、最終的にこの言葉にたどり着きました。私一人で考えても、こんなに素敵な言葉は浮かばなかったと思います。何より、職員の皆が、積極的に取り組んで一つのものを作った、という達成感が良かったと思います。
合宿の場では、経営計画や経営戦略についても、良い議論をすることができたので、また機会を見てご報告したいと思います。